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zoom RSS 北アルプス − 凍える庭園、水晶の空 ・ 雲ノ平 −

<<   作成日時 : 2011/10/16 23:46   >>

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      ■山行きの日:2011年09月23日(金)−25日(日)
      ■山:北アルプス:雲ノ平−祖父岳−鷲羽岳
      ■目的:初秋の赤木沢を歩く・・・はずだった
      ■ルート:23日:折立(07:15)−太郎小屋(11:00)−薬師沢小屋(13:05−13:35)−雲ノ平山荘(17:00)
           :24日:雲ノ平山荘(06:25)−祖父岳(08:20)−鷲羽岳(10:25)−水晶池(13:35)
                高天原山荘(14:45)−夢ノ平(15:40)
           :25日:高天原山荘(06:05)−B沢(08:30)−薬師沢小屋(10:05−11:25)
                太郎小屋(13:10−14:15)−折立(17:10)
      ■メンバー:ルネさん、リカオさん


      −色付き始めた北アルプスの赤木沢を遡行しませんか?−
      そんな私の企画に手を上げたのは、山友のリカオさん、沢を始めたばかりのルネさんだった





      太郎兵衛平までの心地よい木道は薄っすらとガスが横切るコンディション、少し肌寒い
      その五光岩ベンチで休憩してる時の事だ、すぐ後ろで座り込んでた沢装備グループの会話が耳に入った

        『ちゃんとウェット持って来てるよなー?無いと入渓出来ないぞー』

      ウエット?ウェットスーツ?そうか、この時期それだけ冷たいのか・・・そんな装備そもそも持って無いぞ
      不安を抱いたまま太郎へ上がると、休憩どころか、小屋前に立ってさえいられないほど冷たい風
      そして、いつも元気なルネさん、表情が今ひとつ優れない、どうやらお疲れなようだ
      でも、ここに居ても休憩も出来ない、予定通り薬師沢に進もう





      薬師沢に向かいながら相談する、ルネさんはこの寒さに入渓はムリだと、完全に自信喪失
      いつもならイケイケのリカオさんも不安そうな表情・・・さぁ、こんな時リーダーはどうする?
      と、悩みながら到着した薬師沢小屋で確認すると、水量は問題なし、大東新道も通行可能
      小屋の込み具合は、大混雑の見込みだと・・・さぁ、さぁ、どうする?

      そこで私の提案は、残念ながら入渓中止、このまま混雑していないであろう雲ノ平山荘まで歩き
      明日は雲ノ平庭園の散策、下山は大東新道とすることで、少しでも沢歩き気分を楽しもう!
      そして予備日がある私とルネさんは天候次第では高天原へ。
      この提案に、大東新道は未踏なリカオさんの目が輝く、そしてルネさんも同意してくれて
      雲ノ平を目指して歩くことになった





      例のゲキ登りの中間を越えた辺り、振り向くと薬師岳が見える、もうすぐだな、と空から何か落ちて来る?
      何だこれ・・・?雪?雪だ、9月に雪だ、そりゃ寒いはずだ
      突然の雪に、装備不足で入渓中止とした判断は間違ってなかったと、そう確信した

      やっと登りきったテーブルランドでは、先ほどまで覆われていた厚い雲が消え去り
      初秋の夕陽に照らされて、最後の楽園がどんどん美しくなって行く、その姿に言葉も出ない

       『スロトレさーん、もー、この雲ノ平だけで今回充分ですよー』

      リカオさんの大声に、あぁ、一気にここまで登って良かったじゃないか、と一息
      こんな素晴らしいシーンに出会えるなんて
      ここに、この最後の楽園に今立っていられる感動に、しばし酔った





      狙い通り、新築の山荘を広々と使えて朝を迎える、例によってリカオさんは目覚ましより早く飛び起きる
      きっと頭の中は黒部川が音を立てて流れてるのだろう、挨拶もそこそこに一人山荘を飛び出した
      私とルネさんは、昨夜のうちに天気予報をチェックして、もう一日歩くことにしていた
      先ずは二人で祖父岳に、その先の鷲羽岳は私一人で歩く予定で、ぼちぼち歩き始める

      山荘前の木道は白く凍りつき、周囲に咲くチングルマも綿毛の先まで真っ白だ
      昨日の雪は、一瞬で止んだが、夕食後山荘前から夜空に流れる天の川を眺めてるときから
      地面は秋霜でザクザク、それがそのまま凍りついたようだ
      素晴らしい青空、白く凍える庭園、まるでこの世の光景とは思えない姿に脚が進まない





      雨の雲ノ平しか知らないリカオさん、ルネさんは昨日の夕陽に輝く姿だけで満足されていたが
      この凍りついた庭園の姿にも声が出ない様子だ、そんなルネさんを祖父岳を背にして
      スイス庭園の先に誘う、そこからは、立山から薬師岳への稜線が全て見渡せるのだ
      白く輝く木道を歩いて、庭園の先端まで歩くと、思ったとおりルネさんの歓声

       『わぁ、ほんま。みーんな見えるんやぁ♪』

      この夏ご夫婦で歩かれたばかりの稜線、天候は今ひとつの様子だっただけに
      この眺めは感動もひとしおだろう





      スイス庭園から祖父岳は、テン場を巻くように水晶岳側に下りこんで、また登り返す
      朝陽を受けて黒く光り輝く水晶岳が目の前に迫って来る姿に思わず顔が綻ぶ
      祖父岳のピークからは、雲ノ平を見下ろし、そして薬師岳を望み・・・
      その、どこまでも透き通った空の蒼さは、思わず手を会わせたくなるほどだ
      岩苔乗越まで下るとルネさの表情を伺う・・・昨日の疲れなんて消え去ったかのような表情にひと安心

       『どーします?ボクやっぱり、鷲羽行きますけど?』
       『こんな青空の下で、山を目の前にして歩けへんワケないやん♪』

      ふふ。想像通りの返答に笑う、昨夜は先に高天原で温泉に浸かってるなんて言ってたクセに
      ってなことで、鞍部のハイマツにザックをデポして、サブザックで登り始める
      少し高度を上げるだけで、風がどんどん冷えて行く、手先どころか耳さえもかじかむほどだ





      リカオさんに借りたまんまの軍手を手に、フードをかぶって歩く
      ここは2年前、雨上がりのガスガスの中歩いたっけ、そう、あの日は何の展望も無かった
      だから、私には目的があるのだ、あの鷲羽池を見下ろすこと、そして硫黄岳越しに槍を見ることだ
      一度は踏んだピークでも、結局は展望が無ければ、もう一度行くことになってしまう、それが山ヤだ

      岩苔乗越から、ワリモ岳を越えると、100mほど下り、登り返しだ
      少しザレぎみのトレイルは滑りやすい、雲ノ平を見下ろしながらも足元に注意しながら登り返す
      乗越からほぼ60分、ついに青空の鷲羽岳のピークを踏む、そして目的の展望を前に立ち尽くす





      どこまでも、いつまでも水晶に輝く空
      どこまでも、いつまでも続く北アルプス

      時間よ止れ





      感動の鷲羽岳から乗越まで戻ると、源流で水を補給する、陽の当たらない流れにはツララだ
      朝は水場に立ち寄らなかったので、この源流で顔を洗い、頭からかぶり、犬のようにブルブルっ!

      ここから高天原までは600mも下りが続く
      源流からは沢沿いをコロナ尾根と水晶岳の麓を眺めながら気持ちよく歩けるが、しばらくすると
      トウヒだろう、針葉樹とダケカンバの森がうっそうとして、展望は消え去り、風も通らなくなり汗をかく
      いつまで下るんだ!と前回と同じようにグチりながら400m下ると、水晶池だ

      登山道から反れると突然池が現れる、たっぷりと水を蓄えた池には水晶岳が揺れている
      ゆらゆら、ゆらゆら
      北アルプス最深部、人知れず水を蓄える池、その水面を揺らす風
      
      ゆらゆら、ゆらゆら





      高天原山荘には予定より15分早く到着、ここは大混雑を予想していたのだが、意外と空いている様子
      ちゃんと一人分のスペースが確保出来ると聞いて安心して温泉沢に向かう

      夢ノ平では竜昌池を周回するような踏跡を探って散策
      初めて歩いた時のような神秘さ、神々しさは感じられない
      それでも、ここは北アルプス最奥の地、私にとっても特別な場所
      気が付くと二人とも、それぞれ独りでこの風景に入り込んでいて、会話すらない
      やはりここには何かがあるのだろう、今回もそう感じた

      夢ノ平の空気が全身に染み渡った、そう感じることが出来るまで立ち尽くすと、温泉へと向かって戻る
      独り占めの男湯、対岸の外湯では、水着姿ではしゃぐ山ガールたち、あぁ何て贅沢な展望♪





      下山の朝

      スゴ乗越から一気に高天原まで来たツワモノのソロ男性に、大東新道は何の問題も無かったと聞いた
      じゃ、予定通りそのルートで薬師沢まで戻りましょう!ルネさんと意識合わせすると出発
      しかし、山荘を出て木道を歩き始めると、すぐに脚は止まる





      凍えている、何もかもが白く凍えている
      木道、ナナカマド、ブルーベリー、チングルマ、笹の葉先、トウヒの梢・・・

      そして空気さえも白く凍えているのだ







      凍える高天原からの薬師岳
      まるで高原全体が息を潜めてるかのような、そんな緊張感に似た空気を感じる
      私たちも含め、木道を歩く者は皆感動してはいるのだが、何故か歓声も嬌声も無い
      まるで、この凍え付いた空気を揺らさないよう、そっと、そっと歩いているかのようだ

      この姿、この空気は今、この時しか見ることができない、感じることが出来ない
      そう噛み締めながら、白い木道をゆっくりと、高天原峠に向かった





      大東新道は、意外にも人が多く、前回私がソロで歩いたときの緊張感もなくサクサクと進む
      山ガールを含む若いグループも、難所もへっちゃらで、あれよあれよと言う間に先を越されてしまう
      うーんんん、あの初めてソロで歩いたときの緊張感は何だったんだろうか?

      ルネさんも、初めて黒部川に触れることが出来て感動されてる様子、このルートを選んで良かった
      きっと昨日はリカオさんも、満面の笑みで沢装備で歩いたんだろうなぁ
      そんなことを話してる間に、薬師沢小屋だ
      もうこれで秋の山旅は終わり





      初日の朝の折立の喧騒、あの人ごみからは想像も付かないほど静かな静かな山行
      まるで人の少ない場所、時間帯をタイミング良く歩いたかのよう、小屋さえも広く快適に利用できた
      目的であった紅葉の赤木沢遡行中止は残念だったけど、素晴らしい山行となった





      時に、山友から問われることがある
      何故に黒部周辺を毎年のように歩くのか?他に未踏エリアもあるはずなのに?
      その問いに対する私の答えはいつも決まっている






       『この黒部川を中心としたエリアに佇んだときの、山に囲まれた、抱かれた感じが大好きだから』

      この答え、分かる人とそうでない人がいる
      今回、図らずも一緒に周回することとなったルネさん
      360度北アルプスに囲まれた鷲羽岳ピークで、そんな会話をしてたとき

       『あぁ、それ分かるなぁ、私もそう思う。うんうん。そう思う』  

      そんな山友と一緒に、それも、こんなに素晴らしい水晶に輝く空の下歩けた感動
      また、一つ黒部源流を巡る山を好きになった



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コメント(18件)

内 容 ニックネーム/日時
色づきが悪い?というか、まだ紅葉する前なんでしょうかね。この時点では。

9月後半になったら、北アではフツーに降雪はあるかとャ
臆崖道
2011/10/17 10:12
あぁ、、ワタシが行きたくって行けなかった同じコースをををを
ワタシが敗退した翌週にいぃぃぃぃ
行きはったんですねえぇぇぇぇ

雲ノ平への憧れ、スー先輩の影響で膨らむばかり。。
あぁ、来年こそワタシも黒部に触れて山に抱かれますっ(`o´;)ノ
Chika
2011/10/17 11:02
ココはスーさんにとって特別な場所なんですね!
全てが凍り付き雪で閉ざされる日を待っている。
時間は春まで止まるんです。

って、こんなお洒落なことおっしゃってるのかと思いきや・・・
「対岸の外湯では、水着姿ではしゃぐ山ガールたち、あぁ何て贅沢な展望♪」
きっと私も釘付けでしょね!(笑)
なにやら山ガールパワーに押されて少々雰囲気も変わるような気がするのですが、いかが?
“すぎちゃん”
URL
2011/10/17 22:25
うーん、
その答え、分かります。

冒頭の「赤木沢」という言葉を見ただけで
そんな気分になりました。
ましてや時間も止るような風景。

素晴らしい山旅でしたね。
げんさん
URL
2011/10/18 08:13
気心知れた山ヤとの山旅、いいですね〜。
予想がつかない自然現象に遭遇し、その時そこに佇んだ者だけがご褒美やら試練やらををいただく特別待遇。
、、、張りつめた空気の中、息をのみながら立ちすくんでいるスロトレさんたちの姿が見えるようです。やっぱり、自分の目で観て感じたいです。
かもしか
2011/10/18 11:12
はじめまして
いつも素敵なフォト・ムービーですね
今回はBGMの感じが変わってて、それがまた新鮮です
お友達のルネさんですか?いい表情してらっしゃいますね
また楽しみにしていますね
ai
2011/10/18 23:30
雲の平は来年の目標のひとつです。
最低でも二泊しないとぜったい行けない桃源郷だと思ってるのですが。
鏡平のように水面への逆さ水晶、良いですね〜。

キバラー
2011/10/19 20:47
>臆崖道さん

>9月後半になったら、北アではフツーに降雪はあるかと

あぁそうなんですか。北アって良く知らないもので。勉強になります
紅葉ね、今年はどこもイマイチだったようですね
スロトレ
2011/10/19 22:45
>Chikaさん

行ってぇぇぇぇぇぇ
来ましたよぉぉぉぉぉぉ
ってか、私の影響って何のことでしょ?
来年、ぜひとも、どっぷりと抱かれて来てくださいませ♪
スロトレ
2011/10/19 22:45
>すぎちゃん

はい、ここは特別思い入れのある地です

>きっと私も釘付けでしょね!(笑)

いや、そりゃ、もうアナタ!
ってか、なんだか、のどかでね、あんな秘境で水着姿で
無邪気に戯れてると、なんだかもー、どうでもいいか?みたいな
これは分かりませんか(´・ ω・`)
スロトレ
2011/10/19 22:46
>げんさん

分かって頂けたなら嬉しいです♪
ほんとね、時間止ってました、はい。
最高な山旅でした、はい。
スロトレ
2011/10/19 22:47
>かもしかさん

>やっぱり、自分の目で観て感じたいです。

ありがとうございます
ぜひぜひ、ここは素晴らしい場所です
一度は騙されたと思って訪れてみてください♪
スロトレ
2011/10/19 22:47
>aiさん

えーっと、以前コメント頂いたamebloのaiさん?ではありません?
フォト・ムービー褒めて頂いて嬉しいです♪
BGMね、オリジナルはなんとあの、エアロスミスのAngelです
ルネさん、はい、確かにいい顔されてます、ってかあの天候でしょ
誰でも間違いなく輝く笑顔になりますよ♪
コメントありがとうございます
スロトレ
2011/10/19 22:48
>キバラーさん

キバラーさんも狙ってますか〜
その健脚ぶりなら、一気に雲ノ平行けますよ、きっと
でも、一気に行けたからって、そのまま下山じゃ
もったいないところです、やはり最低でも2泊3日は
欲しいですね〜、来年ぜひ!
スロトレ
2011/10/19 22:50
今年も雲ノ平へ行けなかったけど、スーさんルネさんの名コンビの山行き見せてもらって満足です。
ここは、かあちゃんを連れてってあげたいとこNo.1!そして私にとっても大切な場所です。
皆さんとご一緒も楽しいやろな〜
たかっさん
2011/10/20 07:48
晩秋から初冬に変わるひと時にうまくハマりましたねぇ (^◇^ ;) ほぇ〜
濁りのない、シャープな空気の色と冷たさが伝わってきます。

いゃ〜、、良い物を見せて頂きました、、、ちゅうか、「水晶岳が揺れている ゆらゆら、ゆらゆら」オイラも見たいよぉ〜。
目に毒ですな。
loco156
2011/10/21 15:12
>たかっさん

そですか、母ちゃん孝行ですね〜
ええ話やなぁ、うんうん♪
スロトレ
2011/10/22 00:34
>ロコさん

そですね、このタイミングは季節的にも素晴らしく
そして偶然とはいえ、混雑を巧みに避けてハマっちゃいました
水晶池ね、ぜひ、オデーカン様と♪
スロトレ
2011/10/22 00:36

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